Thinking In The Past.

修羅場に強い人

2014.10.14

昨日、災害時の心理学の先生と会ったのだけれど、生死を分けるような局面では人間はパニックになるというよりむしろ動きが止まってしまって危険を避けられなくなるという話をされていた。特に正確な情報が得られない時に動ける人間は少ないと。

僕の知り合いに二人修羅場を経験した人がいる。お一人は飛行機墜落事故の際に航空会社にいた人。もう一人は震災の時の役所の方。お二人とも共通して言っていたのは、いざ修羅場になった時急にリーダーになる人間がいるという事。そしてそれは平時のリーダーシップとは違うという事。

確かに実感としてもわかる気がする。いざという時強い人間と弱い人間がスポーツの世界にもいて、そしてそれは生涯、少なくとも現役中は変わらなかったように思う。いざという時に動ける人間と動けない人間。リスクを取れる人間と取れない人間。

危険は現実だが恐れは物語だとウィルスミスが映画のなかで言った。物語から離れられる人間と、物語のなかを生きてしまう人間の違いだろうか。本当に怖い時、自分がどういう行動を取るのか僕も自分でよくわからない。

震災時、生き残った人が多かったエリアとそうでないエリアを分けると、逃げる事を促したリーダーがいたエリア、そういうリーダーがいなかったエリアできれいに分かれたらしい。修羅場に強いリーダーがコミュニティのなかにいたかどうか。

修羅場に強い人は、平時もリーダーなのだろうか。それともうだつの上がらない人が急変するのだろうか。生まれで決まるのか。それともトレーニング可能なのか。生き残る勘というものが実は何より大事なのではないかと思った。