Thinking In The Past.

あなたが困るでしょという力

2015.10.11

うちの息子はもうすぐ一歳になるが、注意散漫加減と行動意欲はわたしに似て激しい。気が付いたら階段から落ちそうになっていたりと日々目が離せない。

時々ふとこのままほったらかしたらどうなるんだろうかと想像してみるが、おそらく1日も経たないうちに瀕死の重傷を負うにちがいない。じゃあそうなったとして一体誰が困るのかといったら、息子が重要でしょうがない私が困る。この子がいなくなると他でもないわたしが困るから、あっちいきたいこっちいきたいと動きまわる息子にコントールされているかのように動かざるをえないのだなと思った。

惚れたら負けよとよく言われるが、恋愛においても基本的には惚れた方がコントロールされる。こういう考え方をすると冷めていると言われるかもしれないが、恋愛においても交渉は多少はあると思っていて、交渉ごとは常に君がいなくなったら困るという側が譲歩する。いいのよ私他の人のところにいってもということが怖くて、いうことを聞いてしまう。

例えばiphon上のアプリの会社がアップルが設定するルールをすごく気にしていることや、メディアに出たい人がメディアにつながる人になんとか取り入ろうとするのを見ていると商売でもある程度同じことが言えるのではないかと思う。パワハラや、他のなんとかハラという言葉で少しは制御がかかっているのかもしれないが、やはり私がいないと困るでしょという関係が作られるとどうしてもコントロールされてしまう。

うちの会社がそちら側に回るにはどういうやり方をしたらいいのだろうかを考えてみるがなかなかに難しい。今の所は、他の人と付き合うことにしたわと言われないように、また仮に言われた時でも生き延びられるようにしておくことをなんとか頑張っている。

一方父親として、教育のために息子には、あなたが困るでしょがまったく通用しない、自分で何もしなかったら本当に死んでしまうかもしれないという状況をどこかで体験する必要があると思っている。自分が重要なものだと扱われない場所でもしっかり生きていけないと、自分のテリトリーの外で勝負ができない人間になってしまう。が、死なない程度のピンチを、どう加減して作ればいいのか今から悩む。